新巻鮭 その1

今日は、久しぶりに料理の話題。これでも一応、料理人の端くれです(笑)


先日、福島県の木戸川に鮭釣りに出かけた友人から、雄のシロザケが送られて来ました。シロザケと言うと、豪快な引き味がもてはやされる一方で、他のサケと比較すると、食味が劣るゆえんか、イクラは例外として、その食品価値は低く扱われがちです。

しかし、シロザケといったら太平洋沿岸漁業をささえる魚種の一つ。そして、昔は貴重な蛋白源だったでしょうから、古くから数多くの調理方法が研究され、今に伝わっています。その中でも特に私が好きなのが、代表格とも言える「新巻鮭」です。

飽食の現代では、特に珍しい食べ物ではありませんが、「塩漬けと乾燥」という実に簡単な工程を経て「熟成」というエッセンスを得ると、淡白だったサケの身は、たいへん滋味深い一品に変身します。毎年、サケを調達しては、自分好みの新巻鮭を自作しています。


こちらが届いたオスザケ。
オスザケが2本
下の魚体は、ブナ模様の婚姻食が色濃く、魚体もややクタビレ気味ですが、上の方はバリバリの筋肉質。2本とも全長はほぼ80cmと同サイズでしたが、重量には1000gも差がありました。上のやつはかなり美味そうです(笑)


簡単に工程をしめすと、
・内臓とエラをきれいに掃除。
・魚の重量の約15%の食塩で漬け込み。(約3日)
・漬け込んだサケを水に浸して塩抜き。(約1晩)
・乾燥。(様子を見ながら)
ざっと、こんな具合です。


塩漬けの様子。
塩漬けの様子
塩分が効いて、時間経過とともに水分が対外に出てきます。さらに、重石をして染み出てきた水分にしっかりと漬け込むのが肝要です。

こちらは乾燥の様子。
乾燥工程
風通しの良い場所で、数日間干します。

いい感じに仕上がってきました。熟成が進み、旨味がどんどんと増しているはず(笑)。

もうあと数日で完成です。出来栄えのほどは、後ほどレポートいたします。

※参考サイト
新巻鮭・いくらの作り方」(by 岩手県農林水産部水産振興課)
[ 2009/11/22 11:09 ] 料理 | TB(0) | CM(2)

水分の多い川鮭の肉。しかし、寒さ、そして浸透圧という微生物制御要因を駆使して、たんぱく質をアミノ酸まで分解。生ではイマイチな魚体を美味しく頂く知恵。適度に脂肪分が抜けた魚体だからこそできる味なのでしょう(脂肪分が多いと、きっと脂肪酸化臭が酷く食べられなくなると思います。)チーズでも、長期保存をするチーズは脂肪を極力下げてつくります。
先人の知恵はすごいですね。
[ 2009/11/24 22:01 ] [ 編集 ]

nekokenさん

そうなんです!私も先人の苦労と知恵には頭が下がる思いです。

今、科学的に生成の過程を論じるのは簡単ですが、そんな知識も無かった時代に、経験と知恵だけで熟成や発酵という離れ技を編み出したのですからね。恐れ入りますよ(笑)
[ 2009/11/25 09:33 ] [ 編集 ]

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